エクソソーム化粧品原料

EXOSOME

エクソソーム

全く新しい化粧品原料
ヒト幹細胞培養液アンチエイジング成分

RemyStem

エクソソームとは

エクソソームという言葉を聞いたことがありますか?これからの医療や美容、化粧品について、重要なキーワードになりつつある言葉です。エクソソームというのは、細胞が作る小さなカプセルのようなもので、細胞と細胞の間で情報伝達に使われる物で、医学や美容分野で盛んに研究されています。

RemyBio社はヒト幹細胞培養液に特化した研究・製品開発を行なって行く中で、このエクソソームに注目し、エクソソームを豊富に含むヒト幹細胞培養液を製造するための培養法を確立しました。

本サイトではエクソソームとは何か、ヒト脂肪細胞由来の間葉系幹細胞が分泌するエクソソームにはどのような可能性があるのかについて化粧品開発の参考としていただくため開設しました。

エクソソームの中には様々な情報伝達物質が包まれており、表面には他の細胞のレセプターに結合するリガンドとなる、独特のタンパク質を数多く持っています。

RemyBio社製 幹細胞培養液の
リバースエイジング効果

化粧品の分野では近年、ヒト幹細胞培養液を使ったものが注目を集めています。このヒト幹細胞培養液の有効成分はEGFやFGFといったグロースファクター:成長因子やペプチド、サイトカインなどと言われていましたが、その主役はエクソソームなのではないか?というデータが出てきています。

特にヒト脂肪由来幹細胞が作るエクソソームには細胞を若返らせる機能があることを示唆する実験結果があります。RemyBio社製のヒト幹細胞培養液には、この細胞の若返り効果を持つエクソソームを確実に含んでいることが確認されています。

エクソソームがヒト幹細胞培養液にどのくらい入っているのか?ヒト幹細胞培養液では、脂肪由来、神経由来、骨髄由来、臍帯由来など色々なものがあり、どれがいいのか?という議論があります。エクソソームに関していえば、何由来の幹細胞かよりも、どのように培養されたかに依存して、幹細胞が分泌する量が変わってきます。

ヒト幹細胞培養液の主役エクソソーム。その特殊な培養

幹細胞は私たちの体の中にもたくさん存在していますが、普段は何もしていません。体に何かトラブルが会った時に、他の細胞に分化したり、情報伝達物質を出して他の細胞に働きかけたりします。エクソソームや成長因子など、美容や化粧品として使用する時の有効成分を幹細胞に分泌させるには、培養中に体の中のトラブルに近いストレスを与える必要があります。

生体を模倣した刺激:バイオミメティック・スティミュレイションを培養中に与えることが、エクソソームの分泌には、大変重要な要素となります。RemyBio社の培養ノウハウの特徴の一つが、この培養中に与える刺激になります。

通常、幹細胞の培養は平たいフラスコを使います。幹細胞と培養液が入ったフラスコを培養師が1日に1〜2回攪拌して酸素や栄養を供給して培養が行われます。この方法では、幹細胞にエクソソームやタンパク質を分泌させるには、不十分なようです。

生体を模倣した刺激:バイオミメティック・スティミュレイションを幹細胞に与えるのに、最も適した培養法は、ローリングボトルと呼ばれる培養法です。これは通常平たいフラスコの底面に付着して培養される幹細胞を、プラスティックボトルの壁面に付着させ、ボトルを培養液で満たし24時間回転させる培養法です。

幹細胞は何かに付着していないと培養できないという性質を持っています。培養室に置かれた平たいフラスコの底面であれば、幹細胞は剥がれ落ちる心配はありませんが、回転するボトルの壁面は、常に剥がれ落ちるストレスがかかります。それに加え、酸素の量や温度、振動など様々な刺激を与えることで、培養中の幹細胞はエクソソームや成長因子など様々なタンパク質を分泌するようになります。

再生医療として幹細胞を増やす培養には、この培養法は適していないのですが、化粧品原料として、美容成分が豊富な幹細胞培養液を作るのであれば、ローリングボトル方式は最適な方法です。RemyBio社は再生医療として幹細胞を培養しているのではなく、幹細胞培養液を専門に研究開発・製造を行っているため、ローリングボトル方式を採用することができました。

通常の培養法とローリングボトルによる培養、それぞれで得られた幹細胞培養液の中にどの程度エクソソームが含まれているか?CD63というエクソソーム特有のタンパク質で分析すると、通常の培養法ではエクソソームがほとんど含まれていないことがわかりました。

ローリングボトル方式には難しいところがいくつかあります。幹細胞は何かに付着していなければ培養できない、培養液中で浮遊した状態では培養できない細胞で、壁面に付着させて大量に増殖させます。そのため通常は血清を使います。ウシの血清を使ったり、再生医療では患者自身の血清を使ったりして、一気に増殖させて壁面に付着させ、その後ウオッシュアウトして無血清培地を入れて、化粧品原料としてのヒト幹細胞培養液を作るところもあるようです。当然の事ながら、血清を使用した培地は化粧品原料としては使用できません。増殖を促すためにはホルモン剤なども使われますが、ホルモン剤を使用した培地も化粧品原料として使用することはできません。

また、ヒト幹細胞を培養している状態は、細菌やウイルスが繁殖しやすい条件となっています。そのため再生医療において幹細胞を培養するときには、培養液中に抗生物質を混ぜて培養しますが、抗生物質を使用した培養液も化粧品原料としては使用することができません。

化粧品原料としてヒト幹細胞培養液を製造するためには、無血清培地で幹細胞を爆発的に増殖させて壁面に付着させ、ローリングボトル方式で刺激し、抗生物質やホルモン剤を使わないなど、様々な高度な技術が必要となります。RemyBio社は、こうした技術によって、エクソソームや成長因子など、タンパク質の豊富な、新しい幹細胞培養液を作ることに成功しているのです。

エクストラセルラーベシクル

細胞が出す小胞:エクストラセルラーベシクルには、大きく分けて2つあり、一つはマイクロベシクルという50〜500nmのものと、少し小さい50〜150nmのエクソソームがあります。

マイクロベシクルというのは細胞膜の一部が分離して小胞になるのに対して、エクソソームは細胞の中で独自の小胞を作って出てきます。

見た目は似ていますが、表面に持っているタンパク質が違います。マイクロベクシルは細胞膜が持っているタンパク質しか持っていませんが、エクソソームはエクソソーム独自のタンパク質を表面にたくさん持って出てきます。

例えばCD9、63、81、こういったタンパク質はエクソソーム独自のタンパク質で、エクソソームを抽出した後にこれらを分析することで、幹細胞培養液の中にエクソソームがどれくらい入っているのか、分析することができます。

他にも400種類くらいのタンパク質を表面に持っていると言われています。エクソソームの内部にはmRNAやマイクロRNA、酵素やシグナルトランスダクション、生合成因子、シャペロンなどが包まれています。

エクソソームの特徴

エクソソームの利点は何かというと、一つはCD47という、がんが免疫細胞に攻撃されないために、私は敵じゃありませんと手を出しているようなタンパク質があるのですが、そういうタンパク質を細胞表面に持っているので、免疫細胞などに攻撃されないため、生体内安定性が非常に高いということです。細胞から出てきて、必要な細胞にたどり着くまで、酵素に分解されたりマクロファージに攻撃されることなく、体内に長い間存在することができることが一つの大きな特徴です。

もう一つは、必要な細胞にしっかり届くということです。エクソソーム表面にあるインテグリンというのは、細胞にたどり着くためのカギのようなタンパク質で、エクソソームの行き先を示すものになったりします。

通常RNAは細胞外に出た瞬間に分解されてしまいますが、エクソソームは内部にRNAを持っているので、分解されることなく身体中をめぐることができます。エクソソームが着目されているのは、こうした優れたDDSとして機能に利用価値があるのではないかということです

あともう一つは多様な機能性です。表面の様々なタンパク質がレセプターに結合することで、リガンドとしての役割を果たしたり、エクソソーム内部のmRNAやマイクロRNAなどが目的とする細胞に取り込まれることで、パラクラインの役割を果たすのではないかという点が着目されているところです。エクソソームがそれぞれの臓器の細胞に取り込まれることで、どのような効果が期待されているのかというと、例えばアポトーシスの抑制やROSの減少など、臓器ごとのエクソソームの有用性が発表されています。それによってエクソソームを再生医療として役立てていこうという研究がすごいスピードで進んでいます。

各臓器への効果を要約すると、基本的にはアポトーシスの抑制、細胞の増殖、ROSの減少、そして再生効果になります。これらの効果はスキンケアにおいてアンチエイジングに活用できるものがほとんどです。

エクソソームの実験データ
その1:ケラチノサイト 増殖効果

エクソソームのヒト角質細胞HaCaTに対する増殖効果をWST-1 assayで確認しました。エクソソームは角質細胞の増殖を陽性対照群の血清(FBS)処理群と同様に増殖させ、肌のバリヤ機能改善と同じ臨床的症状を期待することができます。

エクソソームの実験データ
その2:ケラチノサイトのマイグレーション誘導

エクソソームによるヒト角質細胞HaCaTのマイグレーション誘導効果をSingle Cell Tracking Systemで確認しました。

エクソソームは角質細胞の移動速度を血清対照群と比較して有意に増加させ,皮膚組織再生など肌の障壁改善の臨床的症状が期待できます。

エクソソームの実験データ
その3:線維芽細胞のコラーゲン合成促進・増殖効果

エクソソームのヒト線維芽細胞に対するコラーゲン生合成誘導能と増殖誘導効果を確認した結果、エクソソームは線維芽細胞増殖と皮膚組織ECMの主な成分であるコラーゲン生合成を増加させ、シワ改善、抗老化などの臨床的効果が期待できます。

エクソソームの実験データ
その4:線維芽細胞の若返り効果

線維芽細胞HDFを紫外線などで人工的に老化させると、細胞は肥大・扁平化し、SA-β-GALという老化マーカーを分泌します。そこにエクソソームを添加すると、細胞の形質が変化し、SA-β-GALの分泌が減少しました。これは光老化、生物学的老化を改善する効果を示唆しています。

ハイブリッドエクソソーム

RemyBio社ではエクソソームの活用法としてリポソームと融合することを考えています。エクソソームは人工で作れませんが、リポソームは人工的に作れます。

例えばリポソームにビタミンCを入れます。それをエクソソームと融合します。そうするとハイブリットのエクソソームの中にビタミンCを入れたものができます。ビタミンCは色々なものとすぐに反応して、失活してしまいますが、ハイブリッドエクソソームの中に包まれていれば、エクソソームの表面のタンパク質のリガンドが必要な細胞に結合し、内部に取り込まれた後に細胞の内部でビタミンCがフリーな状態になるということが考えられます。

ビタミンCに限らず、構造の不安定なものや反応性の高いものをリポソームで抱合し、それをエクソソームと融合することで、リポソーム内部の物質を効率よく安定的に必要とする細胞に届けることができる優れたDDSとなります。

これをRemyBio社では新しい化粧品原料、ハイブリッドエクソソーム『RemyEV』として、供給を開始いたします。

実際にリポソームとエクソソームが融合できるか実験してみました。リポソームのサイズが100nm、エクソソームが200nmだとしたら、ハイブリッドエクソソームは140〜150nmというサイズになり、実際に融合されていることが確認されました

Liposome Exosome Hybrid
Exosome
Size(nm) 93.9±1.4 207.7±2.7 141.9±3.2
PDI 0.26±0.02 0.23±0.03 0.24±0.02

さらに次のステップの実験データです。リポソームの中に抗がん剤を入れて、それをエクソソームとハイブリッド化します。これが細胞に対して、どれくらい効力を発揮するかという例です。通常の抗がん剤、リポソームした抗がん剤、ハイブリッドエクソソーム化した抗がん剤を培養中の細胞に添加して比べてみると、ハイブリッドエクソソーム化した抗がん剤が、一番低濃度で一番

効くことがわかりました。ハイブリッド化したエクソソームに入った抗がん剤は、高い浸透性を示しているので低濃度で細胞を殺すことができます。これは医薬品のDDSとして行われた実験ですが、抗がん剤の強い副作用を引き起こすことなく、効率的にがん細胞を殺すことができることを示しています。

こちらの図は細胞に取り込まれた抗がん剤が、24時間後にどのくらい細胞内に残っているのかを示しています。ハイブリッド化したエクソソームに入った抗がん剤は24時間経っても細胞の中に残っています。長く作用することで、低濃度の抗がん剤でがん細胞を殺すことができることを示唆しています。

これを化粧品原料として考えると、ハイブリッド化したエクソソームの中に、ヒト幹細胞培養液やビタミンCを入れることができれば、細胞浸透性が高くて低濃度で効果が得られる、かつ細胞に長期的に残留させることができるということを示しています。

掲載情報

下記のボタンから、PDFをダウンロードするとCOSMETIC JOURNAL KOREA 2021年8月号のエクソソームの紹介記事をご覧になれます。(韓国版・日本語訳版)

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